ミズバショウ(水芭蕉) サトイモ科 (花期・春〜初夏)

 水芭蕉といえば、尾瀬を思い浮かべ尾瀬の代名詞のようになっている。
 この地方では御在所岳山上にある小さな人工池で栽培され、初夏の頃が見ごろである。尾瀬の水芭蕉も6月上旬が見ごろなので、水芭蕉というと夏のイメージがあるが、実際は早春に咲き始める。
 花のあと、葉がかなり大きくなり、その葉が芭蕉に似ており、水辺に生えるので水芭蕉というわけ。

 庭などに植えられている芍薬の仲間だが、 山の樹林の中にひっそりと咲く山野草。   葉は一般の芍薬と同じで、茎の高さは50センチぐらい、その先に白色の5弁の花をつける。
 丸くふっくらとした、開ききらぬ姿が清楚で美しい。

 高級和紙の原料であるコウゾ・ミツマタの花で、アシビやサンシュウなどとともに早春のころから咲き出す。
 花は蜂の巣がぶら下がったような形で、赤や黄色の花を咲かせる。花がない時期は、名前どおり枝が三又に分かれている。
 この三叉の樹皮には強い繊維があり、1万円札などの紙幣や証紙などにも使われる高級和紙の原料になるそうだ。

 ミヤコワスレとミヤマヨメナは区別することは難しいといわれている。 ミヤマヨメナは山地の日陰に生える多年草で、深山に生える嫁菜の意味。春から初夏にかけて白〜淡青紫色の花を咲かせる。 この嫁菜の栽培品種がミヤコワスレであるといわれている。
 昔、承久の乱に敗れて佐渡へ遠流となった順徳帝は、 草でぼうぼうになった佐渡の庭に一茎の野菊が紫色に咲いているのを見つけ、「紫といえば京の都を代表する美しい色だったが、 私はすべてをあきらめている。花よ、いつまでも私のそばで咲いていておくれ。都のことが忘れられるかもしれない。お前の名を今日から都忘れと呼ぶことにしよう」と、傷心のなぐさめにしたという説話がある。 花の名はここからきている。

 ミヤマキケマンは、日当たりのよい山野の縁などに生える二年草。茎の高さは20〜30cm、葉は鳥の羽のように細かく切れ込んでいる。茎の先に2pくらいの黄色の唇状の花を咲かせる。
 ところで、ミヤマ○○というような名前を持った植物は、標高500〜1000 メートル前後のところに生えていることが多いようだが、ミヤマキケマンはかなり低地でも見られ、この地方では、藤原岳山麓でよく見られる。右はムラサキケマン、色が違うだけ。

 桃にもいろいろあるが、やはり桃色といわれるこの花を選んでみた。下の枝が真っ直ぐ上に伸びる立柱梅。

  鮮やかに咲くヤマブキの黄金色は山吹色とも呼ばれている。また、しなやかな枝が風になびく風情に「山振」 の字が当てられ、それが「山吹」になったとか。
 花は一重と八重があり、大田道灌の逸話 「七重八重 花は咲けども……」 の山吹は八重の山吹である。
   

ミツマタ(三叉・三椏) ジンチョウゲ科 (花期・春)

ミヤコワスレ(都忘れ) キク科 (花期・春)

ミヤマキケマン(深山黄華鬘) ケシ科 (花期・春)

ヤマシャクヤク(山芍薬) ボタン科 (花期・春)

ヤマブキ(山吹) バラ科 (花期・晩春)

モモ(桃) バラ科 (花期・春)